ブルンストロームステージ徹底解説!上肢・下肢の判定基準と予後予測

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ブルンストロームステージ徹底解説!上肢・下肢の判定基準と予後予測
ブルンストロームステージ徹底解説!上肢・下肢の判定基準と予後予測
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🎵 ブルンストロームステージ徹底解説!上肢・下肢の判定基準と予後予測

脳卒中片麻痺の機能回復を評価する現場において、世界中で半世紀以上にわたり基盤として使われ続けているのが「ブルンストロームステージ(Brunnstrom Stage / BRS)」です。理学療法士(PT)や作業療法士(OT)の実習生から臨床の第一線で活躍するセラピストまで、誰もが避けて通れない極めて重要な評価指標ですが、実際の臨床現場では「ステージⅢとⅣの境界をどう判定すべきか」「代償動作と分離運動の区別が曖昧になる」といった悩みが後を絶ちません。

回復過程における痙縮のピークや共同運動の出現・減弱を正しく捉えられなければ、患者一人ひとりに適したリハビリテーション計画の立案や正確な予後予測は不可能です。本稿では、上肢・手指・下肢の各判定基準から臨床で直面するグレーゾーンの見極め方、国家試験対策にも役立つ覚え方まで、網羅的に深掘りして解説します。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 要点1:ブルンストロームステージは脳卒中片麻痺の回復過程を弛緩から協調性回復までの全6段階で評価する世界標準の臨床指標。
  • 要点2:上肢・手指・下肢で判定基準が異なり、「共同運動の出現」「痙縮の強さ」「分離運動の獲得度合い」が段階移行の鍵となる。
  • 要点3:正確なステージ把握は予後予測や目標設定に直結し、ロボットリハビリや先進的ニューロリハビリとの連携でも不可欠な指標。

【基礎から整理】ブルンストロームステージとは?脳卒中片麻痺の回復過程を読み解く

スウェーデンの理学療法士シグネ・ブルンストローム(Signe Brunnstrom)によって提唱されたこの評価法は、脳血管障害によって生じた片麻痺が一定の順序を経て回復していくという生理学的メカニズムに基づいています。脳の運動野や錐体路が損傷を受けると、高位中枢による抑制が外れ、原始的な反射や異常な運動パターンが出現します。この現象を異常として排除するのではなく、機能回復の通過点として段階的に評価するのが最大の特徴です。

脳卒中片麻痺の回復過程は、一切の随意運動が起こらない「弛緩期」から始まり、不随意的な反射や緊張の高まりを経て、徐々に単一関節を自在に動かせる「分離運動」へと進展します。ブルンストロームステージ(BRS)では、この一連のプロセスをステージⅠからステージⅥまでの6段階に分類して評価します。

ステージ運動機能の状態臨床的な特徴・反射の動向
ステージⅠ完全弛緩(Flaccidity)随意運動は一切認められず、深部腱反射も消失または減弱。連合反応も惹起されない。
ステージⅡ連合反応・痙縮の出現わずかな随意運動や連合反応がみられ始め、筋緊張(痙縮)が軽度に立ち上がる。
ステージⅢ共同運動の完成・痙縮のピーク屈曲または伸展の共同運動パターンが随意的に出現。痙縮は最も著明になる。
ステージⅣ共同運動からの分離開始共同運動のパターンから一部逸脱した運動が可能になる。痙縮は徐々に減弱へ向かう。
ステージⅤ相対的分離運動の進行より独立した分離運動が可能となり、共同運動の優位性が大きく低下する。
ステージⅥ協調運動・正常に近い随意性個々の関節運動がほぼ正常に分離し、迅速な動作や協調性運動テストが可能になる。

【上肢・手指・下肢】ブルンストロームステージの具体的テストと判定基準一覧

臨床現場において最も注意すべき点は、上肢・手指・下肢でそれぞれ独立してステージを判定するという原則です。上肢がステージⅢであっても下肢がステージⅣであるケースは日常的に見られます。それぞれのテスト肢位と判定クリア条件を細かく確認しておきましょう。

1. ブルンストロームステージ上肢の判定基準

上肢の評価では、肩関節・肘関節・前腕が連携した共同運動パターン(屈曲・伸展)から、どれだけ独立した運動ができるかを段階的に追っていきます。

  • ステージⅠ:完全な弛緩。随意的な運動は全く見られない。
  • ステージⅡ:連合反応時やわずかな随意努力時に、肘屈曲などの屈曲共同運動の兆候が現れる。
  • ステージⅢ:検者の介助なしで、全屈曲共同運動(肩甲骨後退・挙上、肩外転・外旋、肘屈曲、前腕回外)または全伸展共同運動を自力で遂行できる。
  • ステージⅣ:以下の3つの分離運動のうち、少なくとも1つ以上可能かを確認する。
    1. 腰の後ろに手を回す(肩関節内旋・後方リーチ)
    2. 肘伸展位で肩関節の前方挙上(90度まで)
    3. 肘関節90度屈曲位での前腕の回内・回外
  • ステージⅤ:より難度の高い分離運動へ移行する。
    1. 肘伸展位で肩関節の前方挙上(90度以上、頭上まで)
    2. 肘伸展位での肩関節側方外転(90度まで)
    3. 肘伸展位での前腕回内・回外
  • ステージⅥ:動作のスムーズさとスピードを評価。肘伸展位での手指-鼻試験などを素早く行い、健側と比較して明らかな協調性の低下がないかを見極める。

2. ブルンストロームステージ手指の評価

手指は脳の皮質表現領域(運動野ホムンクルス)が広く、回復に最も時間を要しやすい部位です。把握反射や集団屈曲から、個別の指の独立運動への移行を段階的にチェックします。

  • ステージⅠ:完全弛緩。手指の動きは全く認められない。
  • ステージⅡ:わずかな手指の屈曲(集団屈曲の萌芽)がみられる。
  • ステージⅢ:全指を同時に握り込む「集団握力(鉤形握りなど)」が可能。ただし自力での完全弛緩・伸展は困難。
  • ステージⅣ:横つまみ(側腹つまみ)が可能となり、わずかに手指の伸展(半随意的な開手)ができる。
  • ステージⅤ:対向つまみ(指腹つまみ・球体把握・円柱把握)が可能になり、全指の完全伸展が自力で遂行できる。
  • ステージⅥ:全ての把握動作が巧緻性高く行え、個々の指の完全な個別分離伸展や素早いタッピングが可能。

3. ブルンストロームステージ下肢テストの実施要領

下肢の評価では、背臥位と座位、立位を組み合わせながら、歩行機能の再獲得に向けた股関節・膝関節・足関節の分離度合いを検証します。

  • ステージⅠ:完全弛緩。下肢の随意収縮なし。
  • ステージⅡ:連合反応や最小限の随意運動として、下肢のわずかな屈曲または伸展が出現。
  • ステージⅢ:背臥位にて屈曲共同運動(股関節屈曲・外転・外旋、膝屈曲、足関節背屈・内反)または伸展共同運動が完成する。
  • ステージⅣ:座位にて、足底を床につけた状態から「膝関節90度以上の屈曲(踵を後方に引く)」および「踵を床につけたままの足関節背屈」ができる。
  • ステージⅤ:立位姿勢での分離運動を確認する。
    1. 股関節伸展位を保ったままの膝関節単独屈曲
    2. 膝伸展位・踵接地での足関節単独背屈
  • ステージⅥ:座位または立位での下肢外転、立位での下腿内外旋など、健側と遜色ない協調的な動作ができる。

【現場で迷わない】共同運動パターンと分離運動・随意性の違いを見極めるコツ

臨床評価で多くのセラピストが頭を抱えるのが、「共同運動パターン(Synergy pattern)」「分離運動(Isolated movement)」の境界線です。患者が「動かせている」と主張しても、それが異常パターンの連動によるものか、中枢性の真の随意性によるものかを正しく鑑別しなければなりません。

共同運動とは、一つの関節を動かそうとした際に、本人の意図とは無関係に隣接する他の関節まで特定の決まった組み合わせで一斉に連動してしまう現象を指します。例えば、肩を持ち上げようとすると勝手に肘が深く曲がってしまうのは屈曲共同運動の典型例です。これに対し、分離運動とは他の関節を静止させたまま特定の単一関節のみを意図通りに動かせる状態を意味します。

評価を正確に行うための決定的なコツは以下の3点に集約されます。

  • 体幹の代償動作を徹底的にブロックする:肩関節の前方挙上を評価する際、体幹を後傾させたり側屈させたりして腕を持ち上げる代償が頻発します。検者の手で患者の体幹アライメントをしっかり保持した状態で判定を行う必要があります。
  • 連合反応と痙縮の評価を混同しない:健側に強い抵抗運動を加えた際に患側に不随意な収縮が走る「連合反応(Associated reaction)」はステージⅡ〜Ⅲの重要な指標です。一方、痙縮(Spasticity)は受動運動時の抵抗感(アシュワーススケール等)で測るものであり、両者を明確に区別して記録することが求められます。
  • 中間的な状態(いわゆるⅢ-Ⅳなど)を公式記録にしない:臨床上のメモとして「ステージⅢレベルだがⅣの兆候あり」と記述することはあっても、カルテや公的書類への記載は規定のテスト項目を完全にクリアしているステージ(この場合はⅢ)として厳格に表記するのがルールです。

【国試・実習対策】ブルンストロームステージの効率的な覚え方と臨床判断のポイント

理学療法士・作業療法士の国家試験(PT/OT国試)において、ブルンストロームステージは毎年のように出題される最頻出領域です。暗記に頼るのではなく、運動発達の逆再生プロセスとしてストーリーで理解すると記憶が強固に定着します。

国試対策・臨床判断で役立つステップ別の mnemonic(覚え方)の骨格は次の通りです。

  1. 「Ⅰは弛緩(ゼロ)」:筋緊張ゼロ、完全な脱力状態。
  2. 「Ⅱは兆候(少し)」:わずかな動き、連合反応の始まり。
  3. 「Ⅲは共同(マックス)」:共同運動が完成し、痙縮が最大ピークに達する。
  4. 「Ⅳは一部分離(はみ出し)」:共同運動の枠組みから一部の動きが外れ始める。上肢なら「腰の後ろ」、下肢なら座位での「踵引き」。
  5. 「Ⅴは大部分分離(ほぼ自由)」:共同運動からほぼ脱却。上肢なら「頭上挙上」、下肢なら立位での「膝単独屈曲」。
  6. 「Ⅵは正常協調(スピード)」:個々の分離は完璧。ぎこちなさや協調性(スピード)のテストを行う。

特に国試では「ステージⅣとⅤのテスト動作の入れ替え問題」が頻出します。「座位でできる分離(下肢)=Ⅳ」「立位で要求される高度な分離=Ⅴ」というように、重力負荷や支持基底面の難易度と結びつけて整理しておくことが確実な得点源につながります。

【予後予測と目標設定】脳血管障害リハビリにおける最新の臨床活用とアプローチ

ブルンストロームステージは単なる現状の機能把握にとどまらず、脳血管障害リハビリにおける予後予測(Prognosis)の羅針盤として機能します。発症から1ヶ月時点、あるいは3ヶ月時点でのステージ到達度は、最終的な実用手レベルや実用歩行獲得の可否を占う極めて強力なエビデンスとなります。

例えば、発症後早期に手指がステージⅣに到達した症例では、将来的に物品操作を含む実用手への到達確率が極めて高くなります。逆に、発症後数ヶ月が経過しても上肢・手指がステージⅡ以下に留まっている場合は、麻痺手自体の直接的回復を目指すアプローチだけでなく、健側を活用した代償動作の獲得や環境調整(自助具の選定)へ早期に舵を切る判断基準となります。

2026年現在の最新リハビリテーション医療においては、ブルンストロームステージ判定をベースとしつつ、ロボットスーツや上肢用リハビリロボット、促通反復療法(川平法)、経頭蓋磁気刺激(TMS)、電気刺激療法(NMES)などの先進的治療法の適応基準としてBRSがフル活用されています。ステージごとの病態に合わせた最適なデバイス選択と負荷設定を行うことで、神経可塑性を最大限に引き出す個別化リハビリテーションが実現しています。

【ブルンストロームステージ】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:ブルンストロームステージ(BRS)とSIASやFMA(Fugl-Meyer Assessment)との違いは何ですか?
A1:ブルンストロームステージは質的な回復段階(パターン)を6段階で簡便・迅速に判定するスケールです。一方、SIASは感覚や腹筋力など全身機能を総合評価する指標であり、FMAはBRSを基に各動作を点数化(0〜2点)して詳細な定量的変化を追う評価法です。日常のスクリーニングや申し送りにはBRSが適しており、研究や微小な変化の測定にはFMAが併用されます。

Q2:ステージの段階を飛び越えて(例:ステージⅡから突然Ⅳへ)回復することはありますか?
A2:理論上は段階を追って回復するとされていますが、脳出血の血腫吸収や超急性期治療(t-PA・血栓回収療法)の奏効によって急速に脳浮腫が改善した場合、臨床上はステージをジャンプしたかのように急速改善して見えるケースが存在します。

Q3:ステージ判定中に代償動作が出た場合、どのように判定すべきですか?
A3:純粋な目的動作が遂行できず、体幹の傾きや他の関節の代償運動によって形だけ達成されている場合は「達成不可」と判定します。代償を抑えた状態で指定の可動域・分離パターンを達成できるステージにとどめるのが原則です。

まとめ:的確なステージ判定が導く個別化リハビリテーションの未来

ブルンストロームステージは、脳卒中片麻痺患者の神経学的回復段階を客観的かつ体系的に把握するための不可欠な評価指標です。上肢・手指・下肢のそれぞれにおいて、共同運動の出現から痙縮の推移、そして分離運動への進化を正確に見極める眼を養うことが、質の高いリハビリテーションの第一歩となります。

単なる分類作業に終わらせるのではなく、得られたステージ判定から「現在の回復限界」と「次に取り組むべき介入課題」を論理的に導き出し、予後予測に基づいた治療戦略を構築することが重要です。正しい知識と精密な評価技術を武器に、日々の臨床や学習における確かなステップアップを目指していきましょう。 (出典: ブルン ストローム ステージ(Yahoo!ニュース)

ブルン ストローム ステージ
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